ハイフィンガー奏法と重量奏法

「ハイフィンガー奏法」から「重量奏法へ」

「ハイフィンガー奏法」に対して「重量奏法」といっていいのであろうか。

正確な意味や方法については私も専門家ではないので、ここでは申し上げないでおく。

自分が出すピアノの音をよく聞いて、よい音を出そうと心がけていると、学ばずとも「重量奏法」を自然に取りいれていたという方も多いでしょう。

もちろん指導を受けるのが早道であろうが、音色を細かくコントロールしたいという思いが強ければ、自然にハイフィンガー奏法と重量奏法を両立させているであろうし、自然に脱力もするようになるし、自然に指先は鍵盤の上を撫でるようになる。

ロマン派以降の曲はハイフィンガー奏法ではとても弾けないという記事がムジカノーヴァ(2006年7月号)に出ていたようだが、いやいや古典派だって重量奏法を取りいれている方も多いであろう。

重量奏法を取りいれていくと、本当に細かく音色を作って演奏することができるようになる。また、そのくらいのレベルになっていくと、耳も相当によくなってきていて、それなりに調整されたピアノでなければとても弾く気になれないし、弾いていてもストレスが溜まるばかりであろう。

ピアノは十分に応えてくれるか?

そこで問題になるのが、『いま使っているピアノは十分に応えてくれるか?』ということである。

新しいピアノはまだいい。 しかし、例えば暫らく調律をしていないピアノを譲り受けて、できる限り安く調律を…と金額だけを比較して手っ取り早くネットで検索する。まだ子供だから…とか、まだ初心者だから…という理由で。これでいいのだろうか?

多少コストがかかっても、まだ子供だからとか、まだ初心者だからではなく、『タッチを意識して弾いてみると、ここまでピアノは応えてくれるんだ。』という「発見」をいつでもできるような状態にピアノをしておくべきだと思う。

また、「ピアノが悪いから…」とか「安いピアノだから…」と勝手に決めつけてしまう場合も多い。そう決めてしまう前に、担当調律師とゆっくり相談してみることを是非にお薦めしたい。