駒の下端・上端の音色考

駒の下端・上端の音色は特異?

今まで特に疑問を感じることなくやり過ごしてきたが、先日あるお客様に指摘されたので整理しておこうと思う。

下図を参考にして欲しい。
『駒の下端・上端は特異な音色。特に長駒の下端は顕著である』

巻線(銅色の弦)と芯線(銀色の弦)の境目での音色が異なるのは弦の材質が異なるから当然であるが、駒端部分の音色が他と比べて特徴的なのは何故だろう?

ピアノの駒と響板

(あまりにも日常すぎて)案外これに気づいていない技術者も多いかと思うが、程度の差こそあれ、ほぼすべてのピアノがこれに該当する。そして、お客様がご指摘するお気持ちも大変よく理解できる。(特に長駒下端が顕著である。)

駒の端は弦圧が他と揃いにくい、木目方向において音の伝播の突き当たりになるので響板がうまく響いてくれない、など原因はいろいろ考えられるが正直なところ明確な答えはわからない。(原因がわからないのにコラムにするなよと怒られそうではありますが・・・)

今日触ったスタインウェイのB型もやはり特徴のある音色がしていた。皆様もどうぞお試し下さい。