コラム
整音の実際(技術者向け)
整音の考え方 はじめに(2020/11/11 訂正) 整音について多くの先輩たちに学び、研修も受け、解説書も読んでまいりました。30年以上もこの世界で勉強を続けてきた中で、オリジナリティや応用が、随分
整音~うるさい?鳴らない?
お客様の好みを探りながら調整することは時に本当に難しい局面に遭遇することがあります。信頼関係が強固な場合は次がありますが一回勝負の場合は次がありませんので、じっくり話し合いながら作業するなど慎重に進め
打弦距離と発音ポイント
ハンマーと弦の距離により、発音するタイミングが変化しタッチが大きく変化します。技術者向けではありますが、一般ユーザーでもとても参考になると思います。 打弦距離と発音ポイント(発音するタイミング)…日
ウェイト調整でばらつき除去
鍵盤重量は刻々とばらついていて、このことは音量と音色のばらつきに直結します。定期調律の中でこれらのばらつきを短時間で除去してゆく方法と解説。 感覚的タッチウェイト調整によるばらつき除去…日本ピアノ調
鍵盤重量は常にばらついている
鍵盤の重さはいつもばらついている 新品のピアノは概ね鍵盤の重さは揃っていますが、「関節部分のトルクのばらつき」により、鍵盤重量はどうしてもばらついてまいります以下のようなテストを行ってみてください。1
アップライトピアノの設置場所
アップライトピアノの音響 音響によって弾き心地が左右されることは意外に知られていないようです。特にアップライトピアノは厚い外装に覆われ、後方には壁があり、どうしてもグランドピアノに比べると音響的に不利
トリル考
鍵盤が重いピアノは弾きにくい? トリルがしにくい? 色々なピアノを弾く機会がある方はトリルのしやすいピアノ、しにくいピアノ、その中間くらいの普通のピアノがあることに気づく方も多いと思います。 また、あ
駒の下端・上端の音色考
駒の下端・上端の音色は特異? 今まで特に疑問を感じることなくやり過ごしてきたが、先日あるお客様に指摘されたので整理しておこうと思う。 下図を参考にして欲しい。『駒の下端・上端は特異な音色。特に長駒の下
白鍵と黒鍵でタッチが違う?
白鍵と黒鍵で鍵盤の重さが違う? 白鍵と黒鍵の重さが違うピアノをたまに見かけて気になることが最近ある。 鍵盤の重さを調節するために鍵盤に鉛を埋め込むわけだが、その鉛を埋め込む位置をひとつひとつ測定せずに
装飾音について
装飾音がうまく決まらない? 装飾音がうまく決まらない(整調・アクションの状態は良いのに)、という声をたまに耳にすることがある。今回は整調についてはメーカー推奨値であることを前提に、その他どういったこと
調律師用チューナーの効用
コンピューターによるシュミレーション 時代はハイテク化が進み、我々調律師の世界でもコンピューターを導入する技術者が増えつつある。 これらを利用する事により、今まで出来なかったことが可能となる。 例えば
アフタータッチ考
装飾音がうまく決まらない? 『装飾音が弾きにくいと感じたことはないでしょうか?』 アフタータッチを意識しての演奏を実践、または指導されたり指導を受けたりしたことのある方はとても多いかと思います。 アフ
フォルテ考
フォルテの限界はどこ? 『ピアニシモを出しやすくしてほしい。フォルテ?フォルテは僕が出すからいい』とリヒテルが調律師に要求する。これは私が常々意識していることのひとつである。 ところがこのフォルテ(ア
響板割れについて
響板割れ -修理の必要性- 過乾燥などが原因で「響板割れ」のあるピアノをたまに見かけるが、私など技術者を含め、この響板割れが原因でのピアノの不具合を経験したことがない方も多いと思う。 ネットで「響板割
表現力(3)-ピアニシモ-
ピアニシモがコントロールしにくい? 「鍵盤重量」は「重さ+摩擦力」からなり、相当に弾きこんでいくと消耗する部品などの影響から、この「摩擦力」が減少し、(鍵盤ごとにばらつきが生じ)ハンマー の動きをコン
表現力(2)
イメージ通りの表現ができるピアノ 私達はいつも、『演奏者がイメージする通りの演奏・表現ができること』に何よりも重点を置いて調整している。 例えば曲の中で、ここは弱く、ここは強く、ここからだんだん弱く…
リヒテルのインタビューをみて
リヒテルのインタビュー録画をみて 先日、NHK-BSでリヒテルのインタビュー録画が放送され、 その中で私が感銘し、同調したフレーズがあったので抜粋させていただきます。 ■ リヒテル談 ■アメリカでは自
表現力(1)
われわれ技術者は、限られた時間ではあるけれども『弾き手がイメージした通りに応えてくれるピアノ』となるよう目標を置いていつも仕事をしている。 たとえ小さな子供や初心者が弾くピアノでも、「タッチによってこ
艶消しピアノのお手入れ
どんなに手入れしても塗装は傷む? 販売時、「艶消しピアノ」のお手入れ方法についての説明が曖昧になっていることが多いようです。 以下、参考になればと思います。 ● どんな塗装でも、「汚れが付いて落ちにく
ハイフィンガー奏法と重量奏法
「ハイフィンガー奏法」から「重量奏法へ」 「ハイフィンガー奏法」に対して「重量奏法」といっていいのであろうか。 正確な意味や方法については私も専門家ではないので、ここでは申し上げないでおく。 自分が出
ピアノ室の音響について
ピアノ室の音響について相談いただきました ピアノ室の音響についての相談を受ける事がございます。どの部屋に置いたらよいだろうか? 壁の材質は?広さは?天井の高さは?などなど。 今回は、頂いたメールを抜粋
直接音と間接音
直接音とは?間接音とは? 直接音とは、出力された音が直接耳に届く音。 間接音とは、出力された音が壁などに跳ね返って間接的に耳に届く音。 間接音と弾き心地へ影響 間接音は、残響時間や吸音率(ある音域が吸
タッチ、音色、そして音響
タッチに関連した調整は行っていないはずなのに、「タッチが変わった」と感じたり、鍵盤重量は正常なはずなのに、「鍵盤が重く弾きづらい」または「軽くて弾きづらい」と感じる。 まだまだ駆け出しの頃は、こんな弾