直接音と間接音

直接音とは?間接音とは?

直接音とは、出力された音が直接耳に届く音。
間接音とは、出力された音が壁などに跳ね返って間接的に耳に届く音。

間接音と弾き心地へ影響

間接音は、残響時間や吸音率(ある音域が吸音されたりされなかったり)といった部屋の音響によって様々な結果になり、弾き心地に大きな影響がある。

風呂場で歌うとなぜ上手く聞こえる?

特に広いお風呂場で歌うと心地よく上手く歌えているような気持ちになるのは何故か? それは間接音の種類が大きく影響する。

残響が長いと、 自分の歌声の粗を誤魔化してくれるのでとても気持ちがよい。これは多くの人が経験していることでしょう。

狭い部屋ではピアノが弾きにくい?

では、一般住宅の「狭い部屋」でピアノを弾くと大変に弾きにくい場合がある。それは何故か?

広い部屋だと、(1)直接音と間接音が耳に届くまでに時間差があり、(2)一部の間接音は壁や家具などが吸収してくれ、(3)吸収しなかった間接音も自分の耳に戻ってくるまでに適度に減衰してくれる。そのために弾いていて心地よいし、タッチや音色のばらつきもカモフラージュしてくれる。

これが狭い響く部屋だと全部が反対になり、直接音と間接音に時間差がなく(残響時間が短い)、吸音率も低く、減衰しないまま間接音が自分の耳に戻ってくる。

音の逃げ場がないから多くの音が自分の耳に戻ってきて、音量も大きく、タッチや音色のばらつきも拡大され、コントロールしにくく、弾いていて心地が悪い。

自分がイメージしている音楽が頭の中にあり、 その通りに表現できるはずのタッチで弾いているはずなのにイメージと異なる音が戻ってくる。 そのために不本意なタッチに演奏者は切り替えることになる。故に「弾きにくい」と感じる。

狭い部屋での対策

いくつか挙げてみるとすれば、
⇒ できる限りのバランスの良い吸音を考える。
(最近発売されたヤマハの調音パネルは効果的かもしれない。)
⇒ ピアノの向きを変えたり、位置を変えたり、音の出る方向、飛ぶ方向を考える。
⇒ 部屋の音響を考慮した調整を技術者に依頼する。

といったところでしょうか。